凪良ゆう『汝、星のごとく』Audibleレビューと感想【生きる自由と不自由を描く恋物語】

Audibleレビュー

※当記事にはアフィリエイト広告が含まれています。
 実際にAudibleを利用した体験をもとに、正直な感想をまとめています。

『汝、星のごとく』は高校生の暁海(あきみ)と櫂(かい)が瀬戸内海に浮かぶ小さな島で出会うところから始まります。
東京から転校してきた櫂と、母と二人で息を潜めるように暮らす暁海。
穏やかな海と閉ざされた島の空気の中で、二人は少しずつ心を通わせていきます。

しかし『汝、星のごとく』は、甘い青春恋愛だけを描いた物語ではありません。
愛しているからこそ一緒にいられない現実や、自分の人生を選ぶことの重さが、時間の経過とともに静かに突きつけられていきます。

Audibleで聴く本作は、登場人物たちが口にできなかった感情や、飲み込んだ言葉の余韻が、柚木 尚子さん・志村 倫生さんのナレーションによりさらに引き立てられています。

今回は、誰かを想う気持ちと、自分の人生を生きること、その間で揺れ続ける二人の姿が胸に深く刺さる本作について、レビューを通じて紹介します。

※本レビューでは、ネタバレは無いよう配慮していますが、話の中身に触れる点はありますのでご了承ください。

発売情報・受賞歴

著者:凪良 ゆう(1973年1月25日生まれ)
発売日:2022年8月4日
出版社:講談社
受賞歴:ー

あらすじ

その愛は、あまりにも切ない。
正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。 本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。
ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

※Audible 汝、星のごとく あらすじより引用

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配信日:2023年2月17日
ナレーター:柚木 尚子、志村 倫生
再生時間:12時間8分
評価:☆4.7 3,385件の評価
▶ Audible公式ページで作品詳細を確認

物語展開・構成の評価

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
瀬戸内の島で出会う井上暁海(いのうえあきみ)と青埜櫂(あおのかい)。
静かな始まりなのに、ふたりの人生が少しずつ別の方向へ動き出していく構成がとても巧みです。

暁海が母親の問題を抱えながら島に縛られていく一方で、櫂は東京で漫画家を目指して前に進む。この「同じ時間を生きているのに、距離だけが伸びていく感じ」がすごく自然だなと感じました。

LGBTQやいわゆる毒親問題、そしてSNS問題。
さまざまな社会問題を取り込んだ深い構成は、感動的なラストも含め読み応えありです。

感情の揺さぶりと読後の印象

⭐️⭐️⭐️⭐️☆
感情を大きく揺さぶるのは、恋愛そのものよりも、誰かの人生の“選択の余波”が別の誰かに及んでいくところでした。
暁海が母の世話を当然のように引き受けていく姿など、倫理的に親の面倒をみないといけないというテーマは、読み終えたあと、「もし自分がこの立場だったら」と考えてしまう余韻が残りました。

登場人物の魅力

⭐️⭐️⭐️⭐️☆
暁海も櫂も、どちらかが一方的に正しいわけではないのが良いところ。
そして、この作品は脇役もとても丁寧です。
櫂の母は、決して単なる“毒親”として描かれず、彼女なりの弱さや孤独が見えるからこそ厄介で、印象に残ります。
また、櫂の担当編集者:植木や、暁海たちの良き理解者:北原、などサポートしてくれる面々もそれぞれキャラクターが立っており、物語に深みを持たせています。

ナレーターの演技・声の印象

⭐️⭐️⭐️⭐️☆
柚木 尚子さん、志村 倫生さんによる感情を乗せすぎない落ち着いた語りが、この作品に非常に合っていました。
特に暁海の内面を語るトーンが淡々としていて、逆に苦しさが伝わってくるのが印象的です。
男女別のナレーションになっている一番のメリットです。

感情を押しつけない語りなので、登場人物それぞれの立場を考えながら聴けるのも、この作品には合っていると感じました。

こんな方にオススメします

  • 恋愛小説が好きで、甘さよりも「現実の重さ」を描いた作品を読みたい方
  • 人生の選択や、誰かを想う気持ちの複雑さにじっくり向き合いたい方
  • 長篇作をAudibleの朗読で世界観に浸りながら触れたい方

こんな方は合わないかも?

  • 登場人物の迷いや葛藤に、もどかしさを強く感じてしまう方
  • 重たいテーマや感情の揺れに、あまり触れたくない気分の方

『汝、星のごとく』は、瀬戸内の島で出会った暁海と櫂の恋と成長を描いた物語です。
好きだからこそ言えないこと、相手を思うほどすれ違ってしまう瞬間が、静かな筆致で積み重なっていきます。

Audibleで聴くと、ふたりの感情の揺れや沈黙までもが伝わってきて、もどかしさがより生々しく感じられました。

甘さだけでは終わらない、大人になる途中の恋と人生を描いた一作に興味がある方はぜひ手に取ってみてください。

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横浜 流星、広瀬 すず主演

2026年秋、映画化が決定しました!
主演のお二人の実績から素晴らしい映画になることは間違いなさそうですね。
ただ、個人的には小説のイメージより、ちょっとビジュアルが強すぎると感じるのですが、みなさんはいかがでしょうか笑?

以下に映画公式HPのリンク貼っておきます。
主演二人や監督、そして凪良さんのコメントなどもありますので、ぜひ読んでみてください。

映画『汝、星のごとく』公式サイト
凪良ゆう珠玉の一作を横浜流星×広瀬すずのW主演・監督:藤井道人で実写映画化!『汝、星のごとく』2026年秋公開

汝、星のごとくの正式続編

全3章からなる正式な続編になっています。
前作から1年と少し経った、2023年11月8日に講談社から刊行されています。

▶ Audible公式ページで作品詳細を確認

花火のように煌めいて、届かぬ星を見上げて、
海のように見守って、いつでもそこには愛があった。
ああ、そうか。
わたしたちは幸せだったのかもしれないね。

『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語

「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?

「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。

「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。

※Audible 星を編む あらすじより引用

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