本作はシリーズ3作品目になります。
2023年11月に前作の2作品「店長がバカすぎて」と「新!店長がバカすぎて」がAudibleで配信されました。
当時は恥ずかしながら本屋大賞受賞作であることを知りませんでしたが、そのタイトルの斬新さと表紙の雰囲気に惹かれて聴き始めことを覚えています。
今回は、”店長”のバカさ加減に笑ってスッキリできるドタバタ書店ライフコメディとなっているシリーズの最新作の魅力について紹介します!
(ネタバレは無いよう配慮していますが、話の中身に触れることはありますのでご了承ください。)
早見 和真『さらば!店長がバカすぎて』 作品概要
発売情報・受賞歴
著者:早見 和真(1983年9月25日生まれ)
発売日:2025年9月2日
出版社:角川春樹事務所
受賞歴:本作は配信直後のため無し。
※第一作「店長がバカすぎて」は2020年本屋大賞第9位
あらすじ
カリスマ書店員・谷原京子は長いスランプに苦しんでいた。そんな中、元同僚・磯田の結婚式で、個性的でぶっ飛んだ山本店長の颯爽とした姿を目の当たりにする。
一週間後、磯田は京子のもとを訪れ、「書店を守るために戦い続けてほしい」と告げる。複雑な気持ちを抱えながらも、京子はぶっ飛んだ店長や書店を取り巻く厳しい状況と日々向き合い、自らの成長と書店の未来を切り開いていく。
笑いと感動が交錯する職場コメディとして、読者を引き込む物語が展開される。

Audible版『さらば!店長がバカすぎて』の概要
配信日:2025年9月2日
ナレーター:知愛 (ちえ)
再生時間:8時間18分
評価:☆4.6 476件の評価
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『さらば!店長がバカすぎて』個人レビュー(星評価付き)

物語展開・構成の評価
⭐️⭐️⭐️⭐️☆
過去作品と同様に序盤からテンポ良く笑いを生み、テンポの良さで一気に読ませる力があります。
個々のドタバタが連続して起きたり、アナグラムが多様されたりと、勢いで押し切る場面もありますが、それも作品の魅力の一部です。
中盤から終盤にかけて登場人物の思いや変化も垣間見え、単なるコメディ以上の余韻を残してくれました。
感情の揺さぶりと読後の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️☆
基本はコメディ展開ですが、笑いの合間にふと胸に刺さる瞬間があり、感情の起伏がきちんと設計されています。
登場人物たちのささやかな不安や励まし合い、友情の積み重ねが、単なる笑い話では終わらせない厚みを生んでいます。
感動で泣くような衝撃的な場面は多くないものの、クスリと笑った後にじんわり来る温かさを味わえる作品になっています。
登場人物の魅力
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
店長の魅力は本作でもいかんなく発揮されていました。
新登場となるキャラクターたちも全員が強い個性を持ち、どの場面でも存在感を発揮します。
過去作からのキャラクターたちももれなくクセがあり、新キャラも含めて全員が笑いを生み出す言動をしているのは本作の特徴かと思います。
なお、それぞれに弱さや愛らしさについても描かれているため、読後もキャラが頭に残ります。
ナレーターの演技・声の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
語り手:知愛さんの抑揚や間の取り方が抜群で、コメディパートのテンポ感を壊さずに場面ごとの空気を的確に作れていました。
京子・店長だけではなく、周囲の各キャラクターの個性を声だけで見事に演じ分けられており、テキスト以上に情景が立ち上がる印象です。
シリアスな瞬間でもトーンを切り替えられる器用さがあり、作品全体の魅力をより強く引き出していました。
もはや本シリーズのナレーションは知愛さん以外では考えられませんね。

総評 ▷ Audibleでの聴き読書をオススメします!
過去二作がお気に入りの作品だったので本作も期待して聴き始めましたが、期待通りに笑いと心に暖かさを残してくれました。
笑って癒やされること間違いない作品になっています。
主人公:京子にとって、今作は過去2作に比べて悩みを抱える度合いが大きくなっています。
自身の本に対する思いや店長との関係性に悩む様を、ナレーターの知愛さんが見事に表現していますので、個人的にはAudibleでの聴き読書をオススメします!
なお、まだ過去2作に触れていない方は、今回紹介した第3作目を読む前にぜひそちらから読んで(聴いて)みていただければと思います。

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基本的に無料体験期間があるので、まずはお試しだけでもオススメします。
家事や自動車通勤など、手は空いていないけど耳は空いている時間がある方は、その時間を有効活用できるようになりますよ!


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