2024年に配信されたNetflixのドラマが非常に有名になりましたので、みなさん興味がある作品なのではないでしょうか。
不動産を狙う詐欺師集団「地面師」。
2017年の積水ハウスが騙し取られたというニュースで観た程度の知識でしたが、改めてその実態に触れ恐ろしさを実感しました。
巨額の土地取引をめぐる、詐欺師たちが仕掛ける知恵比べの緊迫感が止まらないこの作品の魅力について紹介します!(ネタバレ無しです)
作品概要
著者:新庄 耕(1983年9月25日生まれ)
発売日:2019年12月
出版社:集英社
その他:Netflixでドラマ化
あらすじ:
若き地面師・辻本拓海は、大物詐欺師ハリソン山中のもとで仲間と共に不動産詐欺を手掛けていた。
狙うのは、泉岳寺駅近くの市場価格100億円の一等地。
司法書士上がりの後藤、情報収集役の竹下、なりすまし役を仕切る麗子とともに大胆な計画に挑む。
一方、定年を間近に控えた刑事・辰は、かつて逮捕しながら不起訴となったハリソンを執念深く追い続けていた。
仕掛けと捜査がせめぎ合う中、地面師たちの素顔と危うい駆け引きが次々と明らかになっていく。
実在の事件をモチーフに描かれた、緊迫感あふれる社会派クライムノベル。
Audible概要
配信日:2024年12月23日
ナレーター:河西 健吾, 速水 奨, 金光 宣明, 疋田 由香里, 小柳 基,
川東 哲也, 綿貫 竜之介, 前田 啓太, 岡本 綾香, 篠原 孝太朗
再生時間:9時間43分
星で見る『地面師たち』個人レビュー ※独断です

- 物語の展開:⭐️⭐️⭐️⭐️☆
緊張感が最後まで途切れず、スリリングに楽しむことができました。
伏線の張り方が巧みで、先を急ぎたくなる展開でした。
交渉中などは少し強引に感じる部分もありましたが、テンポの良さとサスペンス感のバランスが絶妙でした。 - 感情の揺さぶり:⭐️⭐️⭐️☆☆
涙を誘うような感動的なシーンはあまりありませんが、驚きや緊張の波が何度も訪れます。
ラストはやや淡々としていましたが、それもリアルに感じましたし、続編に繋げる期待感も持てる形になっています。 - 登場人物の魅力:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
みんな個性が際立っていて、誰が登場しても印象的です。
正義・悪の枠を超えて魅力的な人物ばかりで、読み終えてもキャラクターの余韻が残りました。
そして、その中でも地面師のリーダー:ハリソン山中の存在感が圧倒的です。
こんな悪がにじみ出ている人物を生み出せたのがすごいと感じました。
ハリソンが出てくると一気に緊張感が張り詰めるのを実感できます。 - ナレーターのマッチ度:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
上述の通り、10人ものナレーターさんが携わっています。
主人公:拓海を演じる「河西健吾さん」は鬼滅の刃の時透無一郎役などで有名な声優さんです。
そして、やはりここでも取り上げたいのはハリソン山中を演じる「速水奨さん」です。
BLEACHの藍染惣右介役などでも知られる低く重厚な声で、紳士的な態度と変態的な黒さを見事に表現されており圧巻です。
総評 ▷ スリルと人間ドラマを味わいたい方はぜひ読んで(聞いて)ください!
ナレーションの上手さや男女を分けている配役も相まって、物語に惹き込まれること間違いなしです。
次作以降も気になって手に取りたくなる終わり方になっています。
巧妙な駆け引きと個性豊かな登場人物たちの描写が最後まで緊張感を維持しており、サスペンスや心理戦が好きな方には特におすすめできる一冊です。

なお、地面師たちには続編作品がすでに発行されています。
『地面師たち ファイナル・ベッツ』:第一作目の続編になります。
『地面師たち アノニマス』:前日譚となる作品です。
いずれもハリソン山中の強烈なキャラがいい味を出しています。
今回紹介した第一作目のあとはぜひこの2作品にも手を伸ばしてみてください。
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