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実際にAudibleを利用した体験をもとに、正直な感想をまとめています。
柚木麻子さんの『Butter(バター)』は、日本でも話題になったサスペンスですが、海外でも高く評価されている作品です。
英語版『Butter』はミステリーとしてだけではなく、フェミニズム的視点や食を通した文化批評として多くの読者の共感を得ており、国際的な読書コミュニティでも注目されています。
物語は、週刊誌記者の 町田里佳 が、連続不審死事件の容疑者として逮捕された料理上手な女性・梶井真奈子(カジマナ) に取材を申し込み、彼女の評判の“バター料理”や言葉に翻弄されていくところから始まります。
里佳は最初こそスクープ狙いで接近しますが、次第にカジマナの発する言葉や生き方に引き込まれ、社会やジェンダー観、体型や欲望への偏見といった“常識”を根本から揺さぶられていきます。
Audible版では、朗読を担当する松井暁波さんの声が、カジマナの強烈な個性や里佳の内面の揺れを巧みに引き出しており、耳に残りました。
今回は、日本だけでなく海外でも高評価を得ている高い本作を、レビューを通じて紹介します。
(ネタバレは無いよう配慮していますが、話の中身に触れる点はありますのでご了承ください。)
柚木 麻子『BUTTER』 作品概要
発売情報・受賞歴
著者:柚木 麻子(1981年8月2日)
発売日:2017年4月21日
出版社:新潮社
受賞歴:The Bestseller Awards 2026 Gold Award(50万部超え)受賞
Waterstones Book of the Year 2024 受賞(日本人初)
あらすじ
世界35ヶ国で翻訳決定!柚木麻子の新境地にして集大成。
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。
若くも美しくもない彼女がなぜ──。
週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。
フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳に〈あること〉を命じる。
その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。
各紙誌絶賛の社会派長編。
※Audible ババヤガの夜 あらすじより引用

Audible版『BUTTER』の概要
配信日:2025年12月19日
ナレーター:松井 暁波
再生時間:19時間30分
評価:☆4.3 587件の評価
▶ Audible公式ページで作品詳細を確認
『BUTTER』個人レビュー(星評価付き)

物語展開・構成の評価
⭐️⭐️⭐️☆☆
週刊誌記者・町田里佳 が、連続不審死事件の容疑者として逮捕された 梶井真奈子(カジマナ) に接触するところから物語は始まりますが、その取材が進むにつれ、事件そのものよりも登場人物たちの価値観や行動の裏側が深掘りされていきます。
里佳がカジマナと、バターや料理を媒介に距離を縮め、時に痛い目に遭わされながら進んでいく構成は、単純な“謎解き”に終わらない複層的な面白さがありました。
ただ、個人的には、19時間30分というボリュームの割には、事件の全貌の描写が物足りなかったかなという印象でした。
感情の揺さぶりと読後の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️☆
感情の揺さぶりは、派手さより微妙な距離感の変化、という感じでした。
里佳が真奈子の勧める料理を食べるたび、その裏にある意図や意味を探りあてていくシーンは、今までにない構成で読後にも印象が残っています。
また、バターを用いたさまざまな料理が美味しそうに描かれていますので、読後はバターを食べたくなることは間違いなしです。
登場人物の魅力
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
取材という使命感と、自分自身の価値観のズレに気づき始める記者:町田里佳はもちろんですが、なんといっても、美味しい料理と鋭いことばで里佳を翻弄する存在のカジマナのキャラが立っています。
カジマナは実際に現実にもいそうなキャラですが、多くの人を翻弄する生き方には、しっかり惹き込まれることになると思います。
ナレーターの演技・声の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️☆
Audible版は、松井暁波さんの朗読が全体の空気をうまく作ってくれています。
カジマナの強烈な言葉や里佳の戸惑いが、声のトーンや間の置き方で自然に伝わります。
淡い感情の揺れが多い作品なので、落ち着いた朗読が逆に作品とよくマッチしていたと思います。
個人的には、カジマナと関係のある引きこもり独身男性の演じ方もそれっぽくて好きでした。

総評
こんな方にオススメします
- 「食」「身体」「女性らしさ」への価値観を問い直す物語に惹かれる方
- 「登場人物同士の心理戦や、じわじわ距離が縮まる関係性を楽しみたい方
- 海外でも評価されている日本文学をAudibleで味わってみたい方
こんな方は合わないかも?
- 勧善懲悪がはっきりしたミステリーを求めている方
- 食事描写や身体・欲望に踏み込んだテーマが苦手な方
『Butter』は、事件の真相を追う物語でありながら、それ以上に「自分たちは何に縛られて生きているのか」を考えさせてくる作品です。
町田里佳とカジマナのやり取りは、取材という名目を超えて、価値観のぶつかり合いになっていきます。
正しさや美しさ、女性像についての“当たり前”が、少しずつ崩れていく感覚が印象的でした。
Audible版では、料理の描写や会話の間合いが耳からじわっと伝わり、文字で読むのとはまた違う没入感があります。
ミステリーとして聴いてもよし、社会や自分自身を見つめ直す一冊として聴いてもよし。
評価が海外にまで広がっているのも納得できる、余韻の残る作品だと思いました!
本レビューが少しでも皆さんの参考になって、「聴いてみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
もし聴かれた方がいたら、感想もぜひ教えてくださいね!

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