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実際にAudibleを利用した体験をもとに、正直な感想をまとめています。
『スピノザの診察室』は、「神様のカルテ」でも知られる夏川草介さんが描く、心に寄り添う医療小説です。
主人公の雄町哲郎は、かつて大学病院で高い評価を受けた内科医でしたが、最愛の妹を亡くし、甥の龍之介を育てるために京都の地域病院で働いています。
そこで哲郎は、限られた時間の中で病と向き合いながら、患者やその家族と真摯に向き合っていきます。
物語は、医療の現場で起こる日常的な診察や看取りの場面を通して、「命とは何か」「幸福とは何か」といった点に焦点を当てた展開になっています。
哲郎と研修医の南茉莉、大学病院時代の同僚・花垣准教授とのやり取り、患者や家族との一瞬一瞬のやり取りを通じて、医師としてだけでなく人として生きることの意味があたたかく描かれていきます。
大病からの奇跡的な復活、医師が患者に叫びながら呼びかける、といった展開がない、本作ならではのテーマを楽しめる一冊です。
今回は、2024年本屋大賞4位にも選ばれた本作について、Audibleのナレーションの魅力も含めてレビューします。
(ネタバレは無いよう配慮していますが、話の中身に触れる点はありますのでご了承ください。)
夏川 草介『スピノザの診察室』作品概要
発売情報・受賞歴
著者:夏川 草介(1978年生まれ)
発売日:2023年10月27日
出版社:水鈴社
受賞歴:ー
あらすじ
その医師は、最期に希望の灯りをともす−−。
20年間、医療の最前線で命と向き合い続けた著者が描く、祈りと希望にあふれた感動の物語。
現役医師でもあるベストセラー作家が迫る、「人の幸せ」とは。
340万部のベストセラー『神様のカルテ』を凌駕する、新たな傑作の誕生。
2024年本屋大賞ノミネート作!
【あらすじ】
雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。
三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。
哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。
※Audible スピノザの診察室 あらすじより引用

Audible版『スピノザの診察室』の概要
配信日:2024年4月10日
ナレーター:吉野 貴大
再生時間:8時間7分
評価:☆4.8 1,631件の評価
▶ Audible公式ページで作品詳細を確認
『スピノザの診察室』個人レビュー(星評価付き)

物語展開・構成の評価
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
序盤から、妹を失い甥の龍之介を育てるために選んだ地域医療という選択が、哲郎の人生そのものを語っており、構成がすでに人間ドラマの深みを感じさせます。
ある患者との看取り、ある家族との会話といった日常の連続が、医療現場のリアルと哲学的な問いを同時に描き出しており、よくある医療系の物語とは一線を画していると感じました。
地域医療はもちろん、大学病院の事情もリアルに描かれている点は、さすがの現役医師だなと思わされます。
感情の揺さぶりと読後の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️☆
物語全体には極端な起伏はありませんが、「治療できない患者とどう向き合うか」「最期の時間をどう過ごすか」という場面が多いため、「自分だったらどう思うか」と考えさせられます。
哲郎のような考え方ができるようになりたい、そう思わされる読後感でした。
なお、本作は京都の銘菓がたくさん出てきますが、とくに北野天満宮の名物「長五郎餅」はぜひとも食べてみたいと思うほど美味しそうでした。
登場人物の魅力
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
主人公・雄町哲郎は、誰よりも患者を見つめ、医師としてだけでなく人として「向き合う」姿が魅力的です。
大学病院時代の仲間・花垣准教授や、その愛弟子である南茉莉とのやりとりも、単なる仕事上の関係ではなく、医療者同士の価値観や信念が交差するような表現が多く、物語に深みを加えています。
そして、患者たち一人ひとりについて、突拍子もないキャラは少ないですが、それぞれが自分の生活や死生観を抱えており、哲郎との関係を通して「幸せとは何か」を考えさせられます。
ナレーターの演技・声の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
吉野 貴大さんのナレーションは哲郎の優しい人物像、そして物語のトーンに非常にマッチしています。
また、男性ナレーターでありながら、女性の登場人物の演じ方が非常に上手で、違和感なく聞き進めることができますので、ぜひAudibleで聴いていただきたい一冊です。

総評
こんな方にオススメします
- 医療現場を舞台にしながらも、病気そのものより「人の生き方」に焦点を当てた物語を読みたい方
- 看取りや終末医療といったテーマを、重すぎず誠実に描いた作品を求めている方
- 『神様のカルテ』が好きだった方、夏川草介作品の静かな語り口が合う方
- 男女の演出に違和感ない朗読で物語を味わいたい方
こんな方は合わないかも?
- 閉塞医療ミステリーや手に汗握る緊迫した展開を期待している方のある展開が苦手な方
- 病院内の権力闘争などのハラハラを楽しみたい方
『スピノザの診察室』は、医師・雄町哲郎が患者一人ひとりと向き合う姿を通して、「どう生きるか」「どう看取るか」を静かに問いかけてきます。
医療現場のリアルな苦労なども体感することができる、リアリティある物語です。
Audibleでは男女ともに違和感ない朗読が楽しめますので、診察室の空気感や会話の間がより自然に伝わり、登場人物たちの言葉が胸に残りやすく感じられました。
忙しい日常の中で、少し立ち止まって考える時間がほしいとき。
そんなタイミングで手に取ると、そっと背中を押してくれる作品だと思います。
以上、本レビューが少しでも皆さんの参考になって、「聴いてみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
もし聴かれた方がいたら、感想もぜひ教えてくださいね!

続編:エピクロスの処方箋
2025年9月29日 水鈴社より発売
待望の続編が登場しています。
Audibleでも配信済みですので、ぜひ『スピノザの診察室』を楽しんでから、エピクロスの処方箋も手に取ってみてください。
2026年本屋大賞候補にノミネート!
2026年3月現在、本屋大賞候補にノミネートされています。
名作ばかりの10作品の中で、本作が選ばれるのかどうか、楽しみです。
本屋大賞公式HPのリンクはこちら。
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基本的に無料体験期間があるので、まずはお試しだけでもオススメします。
家事や自動車通勤など、手は空いていないけど耳は空いている時間がある方は、その時間を有効活用できるようになりますよ!
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初心者の方向けの始め方についての記事もありますので、よければ参考にしてください👌


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