【冒頭から主人公が犯人であると独白】知念 実希人『硝子の塔の殺人』の読者への挑戦

小説


ぼくが知念実希人さんの作品に出会ったのがこの作品です。タイトルの通り、最初に主人公が犯人であるとわかるシーンから始まり、そこからの予想を裏切られ続ける展開に惹き込まれました。
いわゆるクローズドサークルものとして、本格的ミステリーとして仕上がっているこの作品の魅力について紹介します!(ネタバレ無しです)

著者:知念 実希人(978年10月12日生まれ)
発売日:2021年7月30日
出版社:実業之日本社
受賞歴:2022年本屋大賞8位、オーディオブック大賞2023 聴き放題部門準大賞

あらすじ:
1雪深い森にそびえる地上11階・地下1階の巨大な硝子の塔。ミステリ好きの大富豪に招かれ、刑事や霊能力者、小説家など、個性豊かな客たちが集まる。だが、その館で連続殺人事件が発生。毒殺、火事、血文字……惨劇が相次ぎ、13年前の事件の影までもが姿を現す。
名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬は、反発し合いながらも真相を追い、やがて驚愕の真実に辿り着く。――知念実希人が挑む本格ミステリ長編の大本命。

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硝子の塔の殺人 [ 知念 実希人 ]
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配信日:2021年7月30日
ナレーター:高梨 謙吾
再生時間:18時間11分

  • 物語の展開:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    先述の通り、冒頭から主人公:遊馬の犯行現場から始まる展開にいきなり衝撃を受けます。
    その後も自分なりに展開を数パターン予想していましたが、良い意味ですべて裏切られました。
    「硝子の塔」という現実的にはなかなかありえない設定にはなっていますが、塔の構造などもわかり易く解説してくれた上でのトリックなので、「どういうこと?」とはなりづらいと思います。
  • 感情の揺さぶり:⭐️⭐️⭐️☆☆
    泣ける/胸が熱くなるというよりは、展開に驚かされるのを楽しむ作品です。
  • 登場人物の魅力:⭐️⭐️⭐️☆☆
    腹に一物を抱えて探偵の月夜と行動をともにしますが、探偵と一緒に行動するがゆえの遊馬の葛藤・不安などがうまく表現されています。
    登場人物はクセが強い人が多いので、もしかすると「この人の考え方はちょっと・・・」があるかもしれません。
  • ナレーターのマッチ度:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    高梨さん朗読の作品はこれが初めてでしたが、1人で老若男女のキャラの演じ分けを見事にされています。
    声を聞くだけで「あ、この人のセリフだな」とすぐにわかるため、非常に聞きやすかったです。

長編作品ですが、飽きることなく読み(聞き)続けることができます。
作者:知念さんの古今東西のミステリへの想いも深く感じることができます。

本で読むのもいいですが、個人的にはAudibleの朗読がより物語に入り込めるのでオススメです。
続編の可能性も感じるラストですので、楽しみにしています。

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