【情景描写が見所のファンタジー】多崎 礼『レーエンデ国物語』レビュー

Audibleレビュー

多崎 礼さんの『レーエンデ国物語』は、ファンタジーでありながら、とても人間的な物語です。
領主の娘ユリアが、異民族の青年トリスタンと出会い、友情や愛、そして選択の重さに向き合っていく姿は、静かで深い余韻を残します。
そして、羽飼まりさんによるナレーションは、作品の空気感にぴったり!
レーエンデの美しい風景が目に浮かぶようでした。

今回は壮大なレーエンデ国の物語シリーズの第一巻についてレビューにて紹介します!
(ネタバレは無いよう配慮していますが、話の中身に触れる点はありますのでご了承ください。)

発売情報・受賞歴

著者:多崎 礼(2月20日生まれ)
発売日:2023年6月14日
出版社:講談社
受賞歴:2024年本屋大賞 第5位、キノベス!2024 第7位

あらすじ

毛布にくるまって読みふけった
あの頃のあなたへ――
家を抜け出して、少女は銀霧が舞う森へと旅に出た。
こんなファンタジーを待っていた!
ーーー

異なる世界、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国。

母を失った領主の娘・ユリアは、結婚と淑やかさのみを求める親族から逃げ出すように冒険の旅に出る。
呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタン。

空を舞う泡虫、琥珀色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。
ユリアはレーエンデに魅了され、森の民と暮らし始める。
はじめての友達をつくり、はじめて仕事をし、はじめての恋を経て、親族の駒でしかなかった少女は、やがて帰るべき場所を得た。

時を同じくして、建国の始祖の予言書が争乱を引き起こす。
レーエンデを守るため、ユリアは帝国の存立を揺るがす戦いの渦中へと足を踏み入れる。

※Audible レーエンデ国物語 あらすじより引用

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配信日:2024年6月28日
ナレーター:羽飼 まり
再生時間:19時間10分
評価:☆4.5 295件の評価
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物語展開・構成の評価

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
主人公:ユリア・シュライヴァ が父:トリスタンとともに、呪われた地・レーエンデ に赴き、寡黙な射手 トリスタン と出会うことで、彼女の人生が劇的に動き出します。 
「泡虫」が舞い、「銀呪病」に蝕まれる森で、異民族ウル族との邂逅や、古代樹の中での対話が紡ぎ出される世界観が圧倒的です。
まさに長編大作の第一巻に相応しい構成です。

展開としても、旅→出会い→葛藤→対峙という王道ながら、銀呪病や民族対立などの独自の設定が物語を引き締めており、聴きながら次へ次へと聴き進めたくなりました!

ラストシーンも圧巻でした。
そして、ラストシーン以降の展開を「終章」として、言い伝えのように語る手法も惹き込まれました。

感情の揺さぶりと読後の印象

⭐️⭐️⭐️⭐️☆
ユリアの「守られてきた私」から「自ら選ぶ私」への変化に、静かに胸が高鳴ります。
特に、トリスタンがユリアに「この地を選んだ理由」を語る夜、森の中の静寂と、二人の距離感が声だけで伝わってきた瞬間には鳥肌が立ちました。

全体的に感情が爆発するというよりは、じわじわと浸透するタイプの作品です。
聴き終わったあとに「この世界をもっと知りたい」という余韻がしっかり残りました。

登場人物の魅力

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
ユリアの成長物語とその宿命、トリスタンの射手としての宿命としても、ともに魅力的。
さらに、ユリアの父 ヘクトル・シュライヴァ が抱える過去や、レーエンデで暮らすウル族たちの文化も丁寧に描写されており、脇役までもが物語を盛り上げています。
登場人物一人ひとりが「この地で生きる意味」を問いながら行動しており、誰の視点でも強く感情移入できました。

ナレーターの演技・声の印象

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
羽飼まりさんの語りが、レーエンデの風景をそのまま耳に届けてくれるようでした。
湖面に映る古代樹の影、夜の森に集まる泡虫、そして銀呪病に蝕まれた動物たちの静寂——すべてが声と音でありありと蘇ります。
ユリアの内省的な語り、多くを語らないトリスタンの感情、それぞれに適した抑揚と間合いがあり、聴くことで世界観に深く没入できました。

こんな方にオススメします

  • 壮大なファンタジーの中に“静けさ”と“深み”を感じたい方
  • 女性主人公の成長物語が好きな方(ユリアの変化が見どころ)
  • 世界観にどっぷり浸かれる作品をAudibleで楽しみたい方
  • 『十二国記』や『精霊の守り人』のような緻密な異世界が好きな方

幻想的な景色で満ちているレーエンデにて起こるできごとを、Audibleで羽飼まりさんが朗読することにより、静寂と神秘が重なる世界に浸れる体験を与えてくれました。
今回紹介した第一巻はThe chronicles of Leendeに相応しい展開で、今後の作品に繋がっていきます。

なお、レーエンデや周辺国の地理を度々確認することになると思いますので、その点ではすぐに確認できる紙の本がおすすめです。

本レビューが少しでも皆さんの参考になって、「聴いてみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
もし聴かれた方がいたら、感想もぜひ教えてくださいね!

① 第1巻 『レーエンデ国物語』

領主の娘・ ユリア・シュライヴァ は、母を失い、親族から期待される「淑やかな令嬢」の人生に違和感を抱えている。
呪われた地と呼ばれるレーエンデ地方への父:ヘクトルと旅に出たユリアは、ウル族の射手 トリスタン と出会い、異なる世界・異なる民族と接触する中で、初めての友情、初めての仕事、そして初めての恋を経験する。
だがその一方で、帝国による支配の気配がレーエンデへと迫り、ユリアたちはその争乱に巻き込まれていく。


② 第2巻 『レーエンデ国物語 月と太陽』

時代は移り、支配されたレーエンデで生きることを強いられる人々が描かれる。
名家の少年 ルチアーノ・ダンブロシオ は、屋敷が襲撃されて逃亡し、東部の村で怪力少女 テッサ・ダール と出会う。
身分を捨て、村で暮らし始めたルチアーノだったが、テッサは村の危機を救うため戦場へと赴き、二人の決断がレーエンデの未来を大きく揺るがす。


③ 第3巻 『レーエンデ国物語 喝采か沈黙か』

舞台はさらに時代を経て。双子の兄弟 リーアン・ランベール と アーロウ・ランベール が登場。兄は天才戯曲家、弟は男娼として生まれ、生きる道を模索している。
リーアンはレーエンデ人の英雄 テッサ・ダール の物語を戯曲として描くことを決意し、二人は真実の歴史を探る旅に出る。劇場・鉄道・差別が渦巻く社会で、声なき者たちの「喝采」か「沈黙」かが問われる。


④ 第4巻 『レーエンデ国物語 夜明け前』

物語は更に時を進め、四大名家の嫡男 レオナルド・ペスタロッチ とその異母妹 ルクレツィア・ダンブロシオ の出会いが描かれる。
旧市街の夏祭りで少女と出会ったレオナルドは、一族が有する銀夢草の畑を焼き払い、権力の欺瞞を前に失望する。ルクレツィアは片脚を失い、兄妹は暗い時代の中でそれぞれ「夜明け前」の決断を迫られる。
そして、革命へと歩み始めるレーエンデの姿が浮かび上がる。

Amazonのサイトより登録できます。
基本的に無料体験期間があるので、まずはお試しだけでもオススメします。
家事や自動車通勤など、手は空いていないけど耳は空いている時間がある方は、その時間を有効活用できるようになりますよ!

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