十二国記は中国風の異世界を舞台にしたファンタジー小説です。
1991年の1作目「魔性の子」から2019年の12〜15作目の「白銀の墟 玄の月」まで約30年も続いているシリーズものになります。
今回紹介する『風の海 迷宮の岸』では、上記『白銀の墟 玄の月』で主要舞台となる戴(たい)国にも大きく関わってくる麒麟:泰麒(たいき)の出自が明らかにされます。
そのため、最新作まで読み進めるうえで必読となる一冊となっています。
今回は十二国記のEpisode2であり、必読である「風の海 迷宮の岸」ついて紹介していきます!
(ネタバレは無いよう配慮していますが、話の中身に触れる点はありますのでご了承ください。)
小野 不由美『十二国記 風の海 迷宮の岸』 作品概要
発売情報・受賞歴
著者:小野 不由美(1960年12月24日生まれ)
発売日:1993年
出版社:新潮社
受賞歴:第5回吉川英治文庫賞(2020年)
あらすじ
王を選ぶ役割を果たせぬ少年の葛藤! 十年の時を経て故国へ戻された幼い麒麟は正しい「決断」を下せるのだろうか――。
『魔性の子』の謎に迫る衝撃作!「十二国記」Episode2
幼(いとけな)き麒麟に迫り来る決断の時──神獣である麒麟が王を選び玉座に据える十二国。
その一つ戴国(たいこく)麒麟の泰麒(たいき)は、天地を揺るがす<蝕(しょく)>で蓬莱(ほうらい)に流され、人の子として育った。
十年の時を経て故国(くに)へと戻されるも、役割を理解できぬ麒麟の葛藤が始まる。
我こそはと名乗りを挙げる者たちを前に、この国の命運を担うべき「王」を選ぶことはできるのだろうか。
※Audible 十二国記 風の海 迷宮の岸 あらすじより引用

Audible版『十二国記 風の海 迷宮の岸』の概要
配信日:2025年9月5日
ナレーター:羽飼 まり
再生時間:9時間36分
評価:☆5.0 171件の評価
▶ Audible公式ページで作品詳細を確認
『十二国記 風の海 迷宮の岸』個人レビュー(星評価付き)

物語展開・構成の評価
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
現実の世界(蓬莱)へ一度は流された少年が、異世界の蓬山へ10歳で戻り、麒麟であることを知り王を選ぶ役割を担うも果たせぬ日々に心を痛めています。
麒麟となった泰麒(たいき)が、女仙や王に選ばれるために泰麒のもとに参じる(昇山する)人間たちと出会い、十二国記の風土や政治構造を理解していきます。
その過程で読者も泰麒と一緒に知識を深めていける構成になっているのは良い点でした。
王を選ぶ過程でも、麒麟というものについて深い設定があることを知ることができますので、やはり本作は必読だと思わさせてくれます。
感情の揺さぶりと読後の印象
⭐️⭐️⭐️☆☆
涙が止まらないという展開ではありませんが、泰麒の未熟さに伴う不安や葛藤が丁寧に描かれており、聴き手もその揺れを共に感じることができます。
驍宗(ぎょうそう)という存在を前に、言葉にできない恐怖のような感情を持つ展開は印象的です。
まだまだ幼い泰麒が麒麟として踏み出していく展開に胸が熱くなります。
登場人物の魅力
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
主人公の泰麒はもちろん、女仙たち、驍宗(ぎょうそう)や李斎(りさい)など泰麒のために動いてくれる人物が多く、温かい気持ちになります。
Episode1の『月の影 影の海』でも登場した慶国の麒麟:景麒(けいき)も泰麒のために動いてくれますが、相変わらずの言葉足らずでした😁
景麒がもっとしっかり説明をしてくれていたら・・・、と思うところはありますが、それが景麒らしいところなのでマイナスにはなりません😂
ナレーターの演技・声の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
羽飼まりさんの朗読は、幼さや麒麟としての存在に悩む泰麒を見事に演じています。
幼い泰麒の可愛らしい声の表現は本当にぴったりでした。
驍宗の芯のある声や、女仙の泰麒に対する親のような接し方も、演じ分けがバッチリで、今喋っている人は誰?というような混乱が起きない点は見事です。
総評 ▷ Audibleがオススメ!ただし、単語を紙の本から覚えるのもあり!
こんな方にオススメします
- 壮大なファンタジーを味わいたい方
- 十二国記シリーズを音で体験したい方
- 羽飼まりさんの落ち着いた朗読でじっくり浸りたい方
- 派手さよりも、内面の成長や信頼の物語を味わいたい方
『風の海 迷宮の岸』は、壮大な冒険というよりも「心の揺らぎと成長」を描く静かなファンタジー。
Audibleで羽飼まりさんの朗読を聴くことで、泰麒の繊細な心情や、驍宗との信頼関係がより鮮明に響いてきます。
本作の物語の焦点は、戦いではなく「麒麟として王を選ぶこと」。
未熟な麒麟・泰麒が異世界に戸惑いながらも、王を選んでいく展開には胸が熱くなること間違いなしです!
なお、十二国記は、中国風の人名・地名・現象などたくさんの単語が次々とでてきます。
その単語を覚えきれないという可能性がありますので、最初は紙の本から入ることで、単語を覚えていくという読み方もオススメです。
漢字で文字で見るほうが頭に入りやすいので、不安がある方は紙の本をオススメします。

【補足】作品一覧
【本編】
魔性の子(1991年/2001年新装版)
シリーズの原点となる作品。十二国記世界の扉を開く一冊。
月の影 影の海(1992年)
陽子が異界に召喚され、試練の旅を経て成長する物語。上下巻。
月の影 影の海についてのレビュー記事については以下よりどうぞ。

風の海 迷宮の岸(1993年)
泰麒が泰国の王を探すために試練を受ける、若き日の物語。
東の海神 西の滄海(1994年)
戴国の幼い王・尚隆と、忠臣・六太の友情と国造りを描く。
風の万里 黎明の空(1994年)
再び陽子が主人公。王としての試練、責任と成長を描く。上下巻。
図南の翼(1996年)
恭国の少女・珠晶が自ら王になるため旅に出る。
黄昏の岸 暁の天(2001年)
再び泰麒が登場。戴国の王・驍宗の行方を追う重厚な物語。上下巻。
白銀の墟 玄の月(2019年)
ついに戴国の行方が描かれる待望の大作。全四巻。
【短編集】
華胥の幽夢(2001年)
短編8作を収録。各国や人物にスポットを当てた外伝的物語。
丕緒の鳥(2013年)
短編4作を収録。市井の人々や脇役たちの視点で描かれる物語。
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基本的に無料体験期間があるので、まずはお試しだけでもオススメします。
家事や自動車通勤など、手は空いていないけど耳は空いている時間がある方は、その時間を有効活用できるようになりますよ!


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