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実際にAudibleを利用した体験をもとに、正直な感想をまとめています。
『52ヘルツのクジラたち』は、町田そのこさんの初の長編小説です。
児童虐待・家庭内DV・介護・トランスジェンダー・毒親などさまざまな社会問題を盛り込みつつ、感動的な物語になっており、2021年の本屋大賞を受賞しています。
主人公の三島貴瑚(みしまきこ)は、毒親のもとで苦しい日々を過ごし、過去の傷から逃れるように大分の海辺へ移り住んできます。
そこで出会うのは、母親の虐待によって言葉を失い、「ムシ」と呼ばれていた13歳の少年。
貴瑚は少年と、互いに誰にも届かない声を抱えながら、少しずつ交流を深めていきます。
Audible版では、ナレーター:安田愛実さんの語りを通して、登場人物たちの複雑な心の揺れや孤独感が耳から伝わってきます。
言葉にできない想いや、声が届かないもどかしさが、強く心に残る本作について、レビューを通じて紹介します。
※本レビューでは、ネタバレは無いよう配慮していますが、話の中身に触れる点はありますのでご了承ください。
町田 そのこ『52ヘルツのクジラたち』 作品概要
発売情報・受賞歴
著者:町田 そのこ(1980年3月9日生まれ)
発売日:2020年4月21日
出版社:中央公論新社
受賞歴:2021年本屋大賞受賞
あらすじ
2021年本屋大賞第1位。
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。
何も届かない、何も届けられない。
そのためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
※Audible 52ヘルツのクジラたち あらすじより引用

Audible版『52ヘルツのクジラたち』の概要
配信日:2025年12月12日
ナレーター:安田 愛実
再生時間:9時間48分
評価:☆4.7 396件の評価
▶ Audible公式ページで作品詳細を確認
『52ヘルツのクジラたち』個人レビュー(星評価付き)

物語展開・構成の評価
⭐️⭐️⭐️☆☆
主人公の三島貴瑚が大分の海辺で暮らし始めるところから物語はゆっくり進み、時折回想や日常描写を挟みながら、少しずつキャラクターの背景が明かされていきます。
13歳の少年も含め、主役2人の人生には胸が痛くなりました。
少年との関わりとその結末については感動的で泣けることは間違いないのですが、個人的には少し先が読めてしまう展開でした。
そのため「ドラマティックな山場」を期待して聴くとやや間延びして感じるかもしれません。
ただ、構成の静けさはこの物語の主題に合っていて、貴瑚や少年の“届かない声”という表現が胸に響いてきました。
感情の揺さぶりと読後の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️☆
この作品でとくに心を揺さぶられたのは、貴瑚と13歳の少年との交流です。
虐待によって言葉を失い、他人と距離を置く少年が、少しずつ貴瑚との関係の中で表情や態度を変えていく過程は、聴いていて胸が締め付けられました。
また、児童虐待・家庭内DV・介護・トランスジェンダー・毒親などの社会問題がふんだんに盛り込まれており、胸が痛くなるシーンが多かったです。
ただ、人によっては、内容が渋滞していると感じる人もおられるかもしれません。
登場人物の魅力
⭐️⭐️⭐️⭐️☆
登場人物たちは決してわかりやすいキャラクターではないのですが、それぞれが抱える痛みと希望のせめぎ合いが魅力的です。
主役2人のそれぞれの声にできない想いは胸にくるものがあります。
2人以外にも、貴瑚を最初に絶望から救い出した「岡田安吾(おかだあんご)」、高校からの友人で常に見守ってくれる「牧岡美晴(まきおかみはる)」、そして大分で出会うTHE・田舎の考えをもつ住民たち、と豊富な人物で物語が彩られています。
キャラクター同士のやり取りが“言葉にならない感情”を表現する重要な要素になっている点が、この作品の魅力と感じました。
52ヘルツのクジラ”たち”、と複数形になっている点がポイントですね。
ナレーターの演技・声の印象
⭐️⭐️⭐️⭐️☆
ナレーターの安田 愛実さんの声がこの静かな物語に非常にマッチしていました。
抑えたテンポと落ち着いたトーンで、登場人物の繊細な心の動きが耳に入りやすくなっています。
とくに、声が出せない少年の感情を表現するシーンでは、言葉の間や余韻が見事で、違和感なく惹き込まれていきました。
安吾さんの優しい声や、大分の老人たちの理不尽な言いがかりなども見事に演じられています。

総評
こんな方にオススメします
- 大きな事件よりも、人の心の奥を丁寧に描く物語が好きな方
- 社会問題に関する物語が好きな方
- 読後に少し考え込むような作品を求めている方
こんな方は合わないかも?
- 展開の早いミステリーや派手なストーリーを期待している方
- 重たいテーマ(虐待・孤独・家族問題)が苦手な方
『52ヘルツのクジラたち』は、誰かの叫びを代弁してくれる物語ではなく、「声にならないままの感情」にそっと寄り添う作品だと感じました。
貴瑚や少年の事例は空想の話としてではなく、現実のどこかには必ずいると思います。
人ごとではないからこそ、より胸に残るのかなと感じました。
その物語をAudibleで聴くことで、言葉の少なさや沈黙の時間まで含めて味わえたのも印象的でした。
静かな物語が好きな人には、ぜひ一度手に取ってほしい作品です。

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